遺産分割調停に弁護士は必要ですか。
遺産分割調停は、当事者主義的運用がなされています。
つまり遺産分割調停は、当事者の任意処分に基本的にゆだねられているし、自分のことは自分がよく知っているので、裁判所は職権であまりかかわることを控えるという運用が定着しているように考えられています。
裁判所の考え方としては、自己に有利な事実であるのに主張しなかったり、裏付け資料を提出しなかったりする場合に、財産分与において権利が縮減するなどの不利益を被っても、その当事者の責任、とするのが当事者主義的運用です。これは一般の民事裁判に近いといえます。そうです、遺産分割調停は一般の民事裁判に近づいているのです。
審判もゼロベースで行われるのではなく、調停が、審判に向けての準備手続と位置づける裁判官もいるようです。つまり、調停は話し合いではなく、当事者の主張を整理させる場という機能が強まっています。
遺産分割調停では、証拠等の提出は当事者の自主的責任によってもらうことが考えられます。こうしたことは、調停委員サイドとしてはあえて権利主張をしていない場合には、皆さんに降りに調停を進めても良いということになっています。このことは、調停委員向けの本にも示唆する記述がみられるところです。